玉葱

全国で食べられる玉葱のうち、約半分のシェアを占める、北海道産。
弊社を代表する産地、南空知玉葱出荷グループを中心に紹介します。

南空知玉葱出荷グループの皆さん

玉葱の特徴と品種

在来種黄玉葱の畑。長い日照時間で肥大する。

 北海道産の玉葱は、平べったい本州の玉葱と違い、球状なのが特徴です。 また、玉葱が肥大するために必要な日照時間にも、大きな差があります。北海道の在来種「黄玉」の日長は14.25時間、愛知県の「愛知白」は、11.25時間というデータがあります。
 
 この日長による成長の違いから、北海道の玉葱は「長日作物」、それに対し本州の玉葱は「短日作物」に分けられます。 
上記の違いや、気候・その他の様々な条件が重なって、玉葱には地域の在来種が数多くあります。

■北海道産玉葱
玉葱の種類は、収穫の時期によって早生・中生・晩生に分かれます。


 早生   ~ 北はやて・オホーツク(8月下旬-9月中下旬に収穫・出荷)
         北こがね(10月上旬-11月上旬に収穫・出荷)
      
 中・晩生 ~ コタン、北もみじ、イコル、在来玉葱(黄玉)


 最も早くに出荷される早生は柔らかくて辛味が少なく、晩生は病気に強くて貯蔵性に優れるなど、種類によって違った特徴があります。

佐賀産の早生玉葱

■九州産(佐賀・長崎)玉葱
 九州は、春から夏にかけ、北海道に代わって玉葱の中心産地となります。
中でも佐賀県は、全国で北海道に次ぐ出荷量で、全体の14%近くを占めています。
(平成20年農林水産省統計データ)

 ひぜん産直の会では、生育速度の異なる早生~晩生の品種と、出荷時期に合わせた栽培方法で対応することにより、3月から8月まで出荷を行っています。
 春に出荷される玉葱は、北海道産の玉葱と区別して新玉葱とも呼ばれ、柔らかくて甘味が強く、サラダなどの生食にも向いているのが特徴です。

玉葱の優れた機能性成分

玉葱には、辛味の成分のもとである硫化アリルや、二硫化プロピル、炭水化物を糖分にかえるといわれるフラクタンという酵素が含まれています。

 また、注目すべき機能性成分として。ポリフェノールの一種であるケルセチン(フラボノイド系)が多く含まれています。
このケルセチンには、動脈硬化やガン、高血圧に効果があります。本来は皮に一番多いのですが、最近の玉葱には、実そのものにも(特にDr.ケルシーという品種には)多いそうです。
 これらの機能性成分はお茶やリンゴにも含まれていますが、含有量は玉葱が断然多く、さらに調理をしても失われないという優れた特徴があります。

玉葱の保存方法と食べ方

新玉葱と貯蔵に向いた種類の特徴の違いに注意しましょう。

・「玉のまま」保存する場合は、風通しのよい冷暗所にネット等に入れて吊るします。
貯蔵は、湿気の少ない場所では長期間貯蔵が可能です。
(収穫後40~50日後に、休眠状態から目覚めます。玉葱の貯蔵は0℃、湿度は65~70%がベスト)

・「新玉葱」はみずみずしい分あまり日持ちしないので、新聞紙などでくるみ冷蔵庫で保管します。

・「使いかけ」はラップで包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。

新物の玉葱は水分が多くて柔らかく、甘味があるのが 特徴的です。
サラダや洋風の漬物ともいえる「マリネ」などの生で食べられる料理がおすすめです。
炒める場合には、あまり時間をかけず、さっと火を通す程度にします。

★エプロンレシピのページに
たまねぎねぎのおすすめの食べ方を紹介しています。
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主な産地紹介

圃場への苗の定植作業

南空知玉葱出荷グループ(北海道)の玉葱
①「健苗」つくりへのこだわり
 南空知玉葱出荷グループでは、病気になりにくい、健康な苗=「健苗」つくりに力を入れています。健苗を育てるための取り組みの一つに、3段階での土作りがあります。
まず、「育苗ポット」(種を入れる穴の空いたトレイ状のもの)の土の管理。次に、ハウスに定植する際の、ハウス内の土の管理。そして圃場の土の管理があります。 
 玉葱が病気に感染する経路には、種・苗・土があります。 病気を防ぐための対策の
1つに、健康な土作りが欠かせないのです。
②土壌管理の徹底
 土壌管理を徹底して行っています。まず1つに、透排水の改善への注意があります。近年では集中的に降水量の多い雨が降ることが増え、排水不良による水あたりが起こることがあります。その対策として、排水管(明渠、暗渠)を徐々に導入し、被害を防いでいます。
 そして、栽培の前にこのグループでは、土壌診断を欠かさず行っています。
土壌診断では、リン酸の残留度チェックが行われます。これは、アルミナや鉄などの金属がリン酸と結合して溶けないことがあるからです。

緑肥用のひまわり

③肥料へのこだわり
 土壌の病害の発生を防ぎ、軽減する対策として、肥料の工夫があります。
 1つに、硝酸体窒素を減らすための工夫。
 化学肥料を投入する際には、硝酸体窒素の代わりとした、尿素体窒素の成分を含んだ肥料を使用したり、なたね粕や米粕、鶏糞などの有機肥料を投入します。
 これらの有機肥料を餌とする微生物が、化学肥料を分解してくれるという効果があります。
  また、肥料は年に2回、圃場に移植する前の春の時期と、収穫後の秋の時期に投入されます。(これは北海道のみで行われていることです)
 秋には、上述の有機肥料や、土壌菌をなくすための「緑肥」(えん麦、ひまわりなど)をまいています。
④農薬の工夫
 農薬を使用する回数やタイミングも、グループで工夫 していることの一つです。
 しっかりとした根拠を元にすることで、農薬の適切な時期と回数の削減が可能になります。

 殺菌剤には、起こりうる病気を防ぐために使用する「予防剤」と、病気が発生した際に進行をとめる「治療剤」としての役割があります。 このうち、その年の気候条件などから、起こりうる病気を予測した上での初期の防除=予防剤の適切な使用が、結果的に使用回数を抑えられるという効果があります。

 また、殺虫剤も、「発生予察」などによる予測をもとに、使用するタイミングに気をつけています。 発生予察とは、ネギアザミウマなどの虫が、トラップにかかる虫の数から、どの位発生するかを予測するものです。大量発生が予測される場合には、普及所が警報を出すなどして、注意をよびかけます。
⑤播種から収穫まで(南空知地区)

バイヤーによる産直点検の様子。

ひぜん産直の会(佐賀・長崎)の玉葱
ひぜん産直の会は、早くから栽培記録の管理や、産地指導・点検のシステムのもとに、味・品質の向上や、安心で安全な商品の提供に取り組んできました。
コープさっぽろを始め、幾つかの生協で産直産地の認定を受けています。

定植の様子

九州の玉葱栽培は、9月下旬に播種(はしゅ)を行い、10月下旬~11月に定植、3~6月に収穫を迎えます。

 春播きの北海道とは異なり、冬の寒い時期に向かって栽培を始めるため、病気や虫の発生率が低く、したがって農薬等の使用を少ない回数に抑えられる利点があります。

ひぜん産直の会「玉葱の生育ステージ」

3月~8月の長期間にわたる出荷に対応するため、早生~晩生の品種をリレーし、それに加えて3月収穫分はトンネル促成栽培、4~5月収穫分はマルチ栽培(いずれも地温を高めて成長を早めます)、6月収穫分は露地栽培でもって対応しています。

トンネル栽培(3月~収穫)

マルチ栽培(4 月~5月収穫)

露地栽培(6月~収穫)

収穫後~出荷まで

 新物の玉葱は水分が多くて柔らかい反面、傷みやすいので、収穫から出荷までの間に、「風乾」作業をしっかりと行います。出始めの頃は玉葱の選別前に、風通しのよいところで風乾します。

 出荷時期が後になるにつれ、倉庫などで玉葱を下に置き、換気しながら行う「ころがし」、貯蔵庫に吊って乾燥させる「吊り玉」という貯蔵方法で風乾し、「吊り玉」を行う際は、出荷ごとに玉葱をおろして選果・出荷します。

長崎地区の紹介

国立公園雲仙の仁田峠。
向こうに見えるのは有明海。

産地の特徴
長崎県は、九州で佐賀県に次ぐ、玉葱の産地です。
ひぜん産直の会の産地は、主に長崎市から南東にある、島原半島の南部にあります。雲仙地区と合わせて観光地としても有名なこの地域は、温暖多雨で自然条件に恵まれた地域です。
2008年より特別栽培を開始、「安心・安全」をより強く意識した、積極的な取組みが行われています。

長崎の畑。みかんも段々畑で作られます。

○玉葱の特徴
 急勾配の多い長崎県では、石垣で築き上げられた段々畑が多くみられます。
(右は、玉葱産地の一部の写真です。)

長崎産の玉葱は、みずみずしくてあっさりとした味わいが特徴です。
出荷は3月上旬から始まり、3月の下旬から4月の中旬頃にピークを迎えます。

佐賀地区の紹介

白石平野にある産地。
温暖ながらも寒暖差の大きい気候条件です。

○産地の特徴
 全国で北海道に次いで出荷量の多い佐賀県の中でも、白石町は、佐賀産玉葱の7割近くを出荷する、有数の玉葱産地です。
 ひぜん産直の会の佐賀地区では、化学肥料や農薬の使用を、県の基準の半分以下に抑えた佐賀県認証の「特別栽培農産物」栽培を2007年より開始し、環境保全に配慮した持続性の高い農業を行う「エコファーマー」とともに、人数は年々増えています。

有明海。ブランドにもなっている
「有明海苔」の産地です。

○玉葱の特徴
 白石地区の有明海を干拓した土壌には、海のミネラル成分がほどよく含まれています。平野部特有の気候で、昼夜の寒暖差が大きく、養分の吸収率が高くなるため、栄養も豊富。甘味があって柔らかいのが特徴です。