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佐賀産玉ねぎ生育状況/インカのめざめ【今が旬】

北海道では全道的に”暖冬小雪”の地域が多く、各地域でプラス気温が続いており、1月下旬時点では十勝地方の帯広市や他の自治代では積雪ゼロを記録しました。

この暖かさによってハウス野菜は生育・収獲が早まっていますが、このまま雪が少ない状況が続くと、春堀り収獲の露地野菜(ごぼう、人参など)の土壌凍結による影響が心配されます。

➖➖➖➖➖佐賀産 玉ねぎ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

前回のブログで、佐賀産 玉ねぎの生育が遅れているとお伝えしましたが、現在(1/30)時点での佐賀県白石地区の圃場の様子です。

▼今年と昨年との圃場の比較

どちらも4月下旬収穫予定の圃場です。

写真を比較すると、昨年よりも定植が5日遅いことを加味した上でも、生育の差の大きさが一目でわかります。
現状では生産者の方々は特段大きな心配をされておらず、今後2週間の佐賀の天気予報では少しずつ雨が降る見込みとなっているため、まだ様子を見ている段階といえます。

適度な雨に恵まれ、生育が順調に回復することを願うばかりです。

➖➖➖➖➖インカのめざめ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

今回は馬鈴薯の中でも特に人気な品種、インカのめざめについてお伝えします。

▼JA十勝池田町のインカのめざめ

そもそもインカのめざめとは、とても小粒なアンデス原産種を日本の環境条件(長日条件)でも栽培できるように品種改良した馬鈴薯です。

<特徴>

食感: やや粘質、舌ざわりなめらか

風味: 栗・さつまいも・かぼちゃに似た甘みと香り

調理適性: 煮崩れしにくく煮物向き、ポテトチップスやフライにも◎

エプロンの主な産地は十勝池田町です。

「インカのめざめ」は昨年秋に収穫されましたが、実は旬を迎えるのは今の時期です。貯蔵中にでんぷんが糖に変わり、甘みが増して食味が格段に向上します。

貯蔵の過程で水分が抜けるため、皮にしわが寄ることがありますが、カットすると鮮やかな黄色い果肉が現れ、味には問題ありません。むしろ、しわのあるものほど成分が凝縮され、より濃厚な味わいになると言われています。

今回は、「インカのめざめ」と、比較対象として「男爵」を取り上げ、それぞれの特徴を見ていきます。

▼カットしたインカのめざめと男爵

インカのめざめの方が小ぶりで果肉は黄色く、男爵の果肉は薄い黄色です。

続いて、ライマン価と糖度を計測しました。「ライマン価」とは、じゃがいも1個に含まれるでんぷんの割合をパーセントで示したものです。でんぷんは水より重いため、水に沈めて比重を測ることで、その含有量を調べることができます。

▼ライマン価を計測する機械

糖度は生の馬鈴薯をすりおろし、光の屈折を利用して溶液の濃度を計測する手持屈折計を使用しました。

▼糖度計測結果

▼結果まとめ


ライマン価に大きな違いはみられなかったものの、糖度に大きな差がでた結果となりました。

「インカのめざめ」の魅力は、栗のような風味と甘み。そのまま素揚げなどにして、食材本来のうま味を楽しむのがおすすめです。一方、「男爵」はどんな味付けにも合う万能品種。やや煮崩れしやすいものの、さまざまな料理と相性抜群です。同じ馬鈴薯でも、それぞれに個性があり奥深いですね。

「インカのめざめ」は春ごろまで出荷予定です。