Blog

産地が見えるブログのサムネイル

記事に関する野菜情報はこちら

記事に関する産地情報はこちら

九州 新玉葱・馬鈴薯生育状況/北海道 玉ねぎ発芽しました 他

北海道では2月上旬から続いていた大雪も落ち着き、春に向けて徐々に積雪量も減り、道内のほとんどの地域で平年と同等の積雪量となっています。玉ねぎの育苗ハウスでは温度管理、圃場では融雪剤散布の準備に向けた作業が始まりました。

今回のブログでは、3月から出荷が始まる九州の玉ねぎの産地情報からお伝えします。

➖➖➖➖➖九州産(長崎・佐賀) 玉ねぎ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

九州・ひぜん産直の会の玉ねぎは、出荷スタートの3月は長崎県産から出荷が始まり、その後4月頃から佐賀県産の出荷が始まります。まずは長崎の生育状況からお伝えします。

<長崎県(島原地区)>

▼長崎県島原地区 玉葱圃場 品種:早生種「アリオン」(2/27撮影)

作柄については、定植後の秋の天候は良かったものの、11月下旬から干ばつが続き、12月には寒波が襲い、気温が低くなりました。その影響で、作物の生育に遅れが出ています。こちらの圃場では、生育が1週間から10日ほど遅れており、収穫は3月に入ってから行う予定です。そのため、今後予報されている雨と気温の上昇によって、玉ねぎの成長(肥大)が進むことを期待しています。

南島原地区全体としては、3月中旬以降の玉葱の作柄は大きな問題はないと見込まれていますが、作付面積の減少により、昨年と比較して出荷量は若干減少する可能性があります。それでも、当初予想されていたほどの悪い状況ではないようです。

▼長崎県 島原地区の玉ねぎ生産者 松永さん・植木さん(2/27撮影)

続いて佐賀県の玉ねぎの生育状況です。

<佐賀県(白石地区)>

▼佐賀県白石地区 玉葱圃場 品種:「レクスター・アドバンス」 生産者:久原さん(2/28撮影)

長崎と同様に12月下旬の定植後、1月の低温と干ばつの影響で1週間程生育が遅れている状況です。
収穫は4/15を予定しています。

また、周囲の産地では12月下旬以降に定植した圃場の方が干ばつの影響を強く受けており、後半の出荷が少し厳しくなることも予想されています。

➖➖➖➖➖長崎産 新馬鈴薯➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

ひぜん産直の会では、玉ねぎの他、長崎産馬鈴薯も出荷しています。

▼長崎県島原地区 馬鈴薯圃場 品種:「ニシユタカ」 (2/28撮影)

海に面した眺めの良い圃場です。

12/24定植した圃場で、生育状況としては播種後の1月に2回霜に当たったことと、続く低温の影響で写真のように葉がやられてしまったため、生育が1週間程度遅れています。これからの天候にもよりますが、こちらの圃場に関しては5月のG.W前の出荷は難しそうです。

➖➖➖➖➖北海道産 玉ねぎ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

北海道産玉ねぎの発芽が始まりました!

播種後はシルバーシートをかけて育苗トレイを保温し、発芽が揃ってきたら、そのタイミングでシルバーシートをはがし、以降はトンネルのみで温度管理を行っていきます。

▼玉ねぎの育苗の様子(2/25撮影)

こちらの岩見沢市栗沢町の生産者では、道内の一般栽培よりも10日程早い2/5から玉ねぎの播種を開始しました。
播種から20日が経過し、順調に発芽し、生育している様子です。
▼育苗ハウス内の様子(2/25撮影)

品種はSN-3です
ハウス内の温度管理、水分管理を行い、丈夫な苗を育てていきます。
定植は4月中旬からを予定しています。


 ➖➖➖➖➖北海道産フルーツトマト➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

玉ねぎに続き、トマトも育苗中です。
北海道産フルーツトマトを出荷している空知高糖度トマト出荷組合(美唄市と新十津川町)の様子です。

▼ハウス内で育苗中のフルーツトマトの苗(2/13撮影)

写真の撮影が2/13なので、二週間後の今現在(3/3)はもう少し生育が進んでいます。

野菜栽培では苗半作といわれ、育苗は極めて重要な作業です。農業に昔から伝わる言葉で、「苗の出来によって作柄の半分が決まる」という意味です。そのため、育苗時の温度管理はとても重要です。

最低温度は15℃以上に保つことが重要ですが、温度が高すぎると逆に良くない影響を与えることもあるので、温度管理には非常に気を遣っています。

また、トマトの苗には接ぎ木したものを使用しています。
五十嵐さんでは台木にBバリア、清野さんはボランチという台木を使用しています。

▼接ぎ木用のクリップで接ぎ木されているトマトの苗の様子(2/13撮影)

接ぎ木とは、異なる品種や種類の植物をつなげて、1つの植物として育てる技術です。具体的には、1本の植物の枝や幹を、別の植物の根にくっつけることで、2つの植物が1つに融合するようにします。

接ぎ木のメリットとしては、下記のことがあげられます。

病気に強い根を使う:根が強い品種に、実をつけやすい枝をつけることで、病気や害虫から守ることができる。

成長を早くする:成長が早い品種の根を使うことで、早く育つ。

品種の特性を活かす:例えば、甘い実をつける品種の枝を使い、根が丈夫な品種に接ぎ木することで、良い実を収穫しやすくする。

つまり、接ぎ木は植物をうまく組み合わせて、より良い特性を持つ植物を育てるための方法です。

五十嵐さん(美唄市)1万5千本、清野さん(新十津川町)1万4千本を育苗しています。

3月下旬ころ定植予定です。