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雨が続き、各作物の定植が中々進んでいません
4月は全道各地で降雨が続き、圃場での作業がなかなか進まない状況が続いています。さらに気温も低く、圃場が乾かず、地温も上がらないというのが、今年の北海道における4月の大きな特徴です。

合計降水量でみると、岩見沢・札幌市は昨年の3倍以上、音更町でも2倍以上の降雨があったことがわかります。雨が降ったあと乾く間もなくまた雨が降る…という状況が続いています。生産者の皆さんにとっては一日も早く畑に入りたいという思いが募る中、圃場条件が整うまで我慢の日々が続いています。
そのような中、4月29日から30日にかけて、十勝地方やオホーツク管内を中心に季節外れの雪が降りました。
▼音更町 圃場の降雪の様子(4/30撮影)

現時点では作物の生育に大きな影響を与えるものではないと見ていますが、今後の農作業のスケジュールの遅れが懸念されます。
➖➖➖➖➖北海道産 玉ねぎ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
冒頭でもお伝えしたように、南空知玉葱出荷グループの生産者が多い空知方面の地区が雨によって大きな影響が出ています。4/30ではほとんど定植に入れていない状況です。
▼岩見沢市 定植前の玉ねぎの圃場(4/25撮影)

雨が続くことで乾かず水分を多く含み泥のようになっています。

▼本来であればこのように定植が進んでいる状況です(昨年5/1 岩見沢地区)

定植ができない日が続くと、単に作付けが遅れるだけでなく、育苗ハウス内の苗が老化苗になる恐れがあります。老化苗とは、育苗期間が長くなりすぎたことで、定植前に根が老化してしまった苗のことを指します。この状態になると根の伸長が鈍くなり、定植後の生育に悪影響を及ぼす可能性があります。
空知地区では、早生品種だけでなく、天候によっては中生以降の品種にも影響が及ぶ懸念があります。
他地域の定植の進捗状況としては、オホーツク地区は平年並みで推移していますが、十勝・上川地区ではやや遅れ気味です。
定植後は天候次第で成長の回復も期待できますが、現在は定植自体が思うように進んでいないため、今後も状況を引き続き報告していきます。
➖➖➖➖➖北海道産 ブロッコリー➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
続いてブロッコリーの産地情報です。
▼音更町 得地農場の定植したブロッコリーの圃場 品種ピクセル(4/28撮影 得地さんより提供)

とても綺麗な株で、定植後も順調に生育していることが伺えます。
得地農場では3月23日に初回の播種を行い、定植は当初の予定より2〜3日程度遅れたものの、降雨の合間を縫って4月26日より開始することができました。播種作業も計画通り進行しており、4月28日時点で7回目の播種を完了しました。今回の分は7月後半の収穫を見込んでいます。
しかし、冒頭でもお伝えしたように上の写真から二日後の4月29日、なんと降雪!
▼4/30撮影 得地さんより提供


生産者の得地さんは、何とか植え付け時と変わらない感じです、と言っていました。
見た目ほどの大きな影響はなさそうですが、この時期の降雪には肝を冷やします。。
➖➖➖➖➖北海道産 ミニトマト➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
▼新十津川町の中川さん ミニトマトハウスにて(4/24撮影)

中川さんでは、4月18日頃よりミニトマトの苗の定植を開始しました。
雨が続いた影響でハウスのビニールがけ作業が思うように進まず、全体的に作業は遅れ気味でしたが、4月24日の撮影日時点で、全31棟のうち6棟まで定植が完了しています。

定植後の株はすごくいい状態です!このまま順調に生育が進んでいけば7月上旬から出荷予定です。
天候によって状況が厳しい年でも、中川さんのミニトマトは品質が安定しており、おいしいと評判です。本年もおいしい実りに向けて、一つひとつの作業を丁寧に重ねていきます。
➖➖➖➖➖北海道産 ピーマン➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖。
▼美瑛町の本山農場 ピーマンの圃場(4/24撮影)

本山農場では4/18の一日間で9棟のハウスの定植定作業を終えました。
本山さんは初期の生育を非常に重要視しており、ピーマンの定植時には地温が適温になるよう、早めの圃場準備や色々な工夫を行っています。
具体的にはハウスを2重被覆し、更にトンネルをかけ、気温をみながら必要に応じて加温機を使用します。
▼ハウス内の加温機

▼その努力の甲斐もあり、定植した苗は順調です(4/24撮影)

ピーマン栽培は今年で4年目。最初は1棟だった栽培ハウスも、現在では9棟にまで増えています。
本山さんは他産地へ視察や、日々試行錯誤を重ねながら栽培技術を磨いてきましたが、
昨年の成果にとどまることなく、今年はさらに味と収量の向上を目指しています!