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越冬玉ねぎ早くも倒伏、根切り開始/道内各地で野菜収穫本格化

6月に入ってから続いている季節外れの高温は現在も収まらず、特に25日には北見市で34.9℃を記録するなど、道内94地点で真夏日(30℃以上)となりました。まるで1ヶ月先の気候が早く訪れたかのようで、寒さが続いた春から一転して、一気に真夏へと季節が進んだ印象です。
圃場では気温の上昇により、生育の遅れは徐々に回復してきていますが、一方で干ばつ傾向が強まり、生産者からは「雨が欲しい」との声がいっそう高まっています。

➖➖➖➖➖北海道 玉ねぎ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

▼6/29時点での北海道各地の玉ねぎの生育状況です

表からわかるように、全体に高温の影響を受けていますが、オホーツクは順調で生育良好。一方で南空知は高温と定植遅れでやや厳しい状況が続いています。

そんな中伊達市の【越冬玉ねぎ】の生育は、早くも倒伏期を迎えています。

▼伊達市 上野さん 越冬玉ねぎの圃場の様子 6/26(撮影)

肥大も良好で玉揃いも良い傾向です。
すでに倒伏しており、根切り作業がこの写真撮影の三日後、6/29に行われています。

▼すでにL大~Mサイズほどに成長しています

▼こちらの玉ねぎの直径は10㎝程

長い栽培期間で育った越冬玉ねぎは独特の風味と高い糖度が特徴で、食味がよく高い評価を得ています。収穫まではあともう少し、通常の春播き栽培よりも2週間ほど早い7月上旬を予定しています。

そんな中、道内では様々な野菜の品目の収穫・出荷がスタートしています。

➖➖➖➖➖北海道産 大根➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

千歳市のあしだファームの大根の収穫が6/19よりスタートしました。

▼大根の収穫動画(6/24撮影)

播種は4/24からスタート。最初の播種が遅れた一方で、その後に播種された作物は順調に生育したことから、先週以降、収穫は最盛期を迎えています。
現在は1日に約1万2000本の大根を収穫しています。

あしだファームでは、「健康な野菜は健康な土から」を大切にし、毎年土壌分析を行って数値で管理し、養分バランスを整えています。緑肥や有機物、堆肥を活用し、炭素を還元して土の健康を維持。そのように丁寧に育てた土で育つ大根を、6月末から10月末まで出荷しています。

➖➖➖➖➖北海道産 ピーマン➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

続いて、美瑛町 本山ファームのピーマンの収穫もスタートしております。

▼収穫前のピーマンのハウス内の様子(6/17撮影) 品種:みおぎ

ピーマン栽培4年目となる今年、栽培ハウスは当初の1棟から9棟へと拡大し、規模も大きく成長してきました。
収穫は6月13日からスタート。昨年は約10tの反収を記録しましたが、途中でアブラムシやコナジラミが発生したことから、今年は化学農薬の使用を抑えつつ、防除対策をさらに強化。より安定した栽培を目指しています。
反収11t以上を目標に、質・量ともにさらなる高みを目指したピーマンづくりに取り組んでいます。

➖➖➖➖➖南空知玉葱出荷グループ総会及び道外研修➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
玉ねぎの収穫をこの先に控え、弊社を代表する玉ねぎ産地である南空知玉葱出荷グループでは、6月中旬に総会および道外研修が実施されました。

グループ内では世代交代が進む中、今回の総会では役員改選が行われ、次の世代を見据えた体制づくりが本格的に動き出しました。
▼南幌町で行われた南空知玉葱出荷グループ総会の様子(6/6撮影)

発足から20年以上の歴史を持つ本グループは、現在31名のメンバーで構成されており、その内訳は特栽生産者18名、在来生産者8名、JGAP生産者3名(うち1名は個人取得)となっています。
世代交代も進み、若手後継者の姿も多く見られるようになってきました。

今回の総会では役員改選が行われました。
今回、長年にわたり会を支えてこられた長谷川会長・坂野副会長(ともに在任17年)が退任。

新たに、長尾さん(栗山町)が会長、山田さん(栗山町)が副会長に選出されました。
▼左から:副会長の山田さん、新会長の長尾さん、前会長の長谷川さん、前副会長の坂野さん

長年のご尽力に心より感謝申し上げます。本当にお疲れ様でした。
今回の役員改選を契機に、中堅・若手メンバーの意見も積極的に取り入れながら、これまでの実績を大切にしつつ、より柔軟で活発なグループ運営を目指してまいります。
新たに就任された役員の皆さまとともに、今後の活動を進めてまいります。

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その翌週の6/11、南空知玉葱出荷グループの道外研修が行われました。
研修先は、「淡路島玉ねぎ」のブランドで知られる淡路島です。今回の視察には、新会長の長尾さんを含む生産者6名と、エプロンから2名が参加しました。

視察の目的としては、淡路島における玉ねぎの栽培技術や出荷体制、保管方法などを学ぶことで、今後の北海道での玉ねぎ生産や出荷の参考とすることでした。
現地では、まず玉ねぎの圃場の見学を行い、その後、選果場や冷蔵庫の視察もさせていただきました。

▼選果場や倉庫内視察に様子

淡路島の玉ねぎは、ブランド力が非常に高く、全国でも高い評価を受けています。その背景には、地域の気候や土壌に適した作型が確立されていることが挙げられます。現地では、淡路島ならではの栽培方法について丁寧な説明があり、北海道とは異なる土質に合わせた工夫が随所に見られました。

淡路島の生産者は戸数が多いものの、1軒あたりの規模は小さく、機械化が進みにくいため収穫は主に手作業で行われています。
また、淡路島の特徴の一つとして、「冷蔵庫保有率の高さ」が挙げられます。多くの業者が自ら冷蔵庫を保有しており、収穫後の玉ねぎはまず除湿処理を施し、その後冷蔵保管することで長期的な出荷を可能にしています。この体制が、淡路島産玉ねぎの安定供給とブランド価値の維持に大きく貢献していると感じられました。

今回の視察で、地域特有の工夫や強みを学び、北海道とは異なる環境でも参考になる点が多く、今後の生産・出荷体制改善に役立つ有意義な研修となりました。