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産地が見えるブログ
十勝長芋収穫開始/玉ねぎ蔵入れ終了 他
北海道ではとうとう冬の訪れ“初雪”が札幌、美瑛などの上川地方、十勝地方など全道各地で観測されました。産地では来春に向けた耕起作業が行われており、収穫中のものは降雪や降霜の合間で最終収穫が行われております。 また、長期貯蔵するものは格納作業が行われています。
➖➖➖➖➖北海道産 長いも➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
長いもには秋掘り・春掘り、ふたつの収穫のタイミングがあります。
和田農園では今まさに秋掘り作業の真っ最中です。
▼和田農園 長いも収穫作業の様子(10/31)
今年の夏は高温の日が続きましたが、10月に入ると一気に気温が下がりました。
長いもの品質を左右する大きな要因が、この「気温」です。
夏の間、長いもは地上部で光合成を行い養分をつくりますが、その養分が根に蓄えられるのは秋の気温が下がり始めてから。気温が下がることで、植物は冬に備えて茎葉から根へと養分を送り込みます。これを「養分転流」と呼びます。
この転流が進むことで、長いもはデンプンやうま味成分をしっかりと蓄え、粘りや風味が増して“本来のおいしさ”が引き出されます。 気温が下がる前に掘ると未熟で水っぽくなってしまいますが、今年は10月の冷え込みがちょうどよく、葉もよく枯れ上がったので、良い仕上がりが期待できそうです。
➖➖➖➖➖北海道産 玉ねぎ➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
北海道の玉ねぎの取扱い現場では、安定した品質で長期間出荷を行う上での秋の一大作業、“蔵入れ”作業が例年よりも1週間ほど早く、終了しました。
▼原料の玉ねぎを格納する冷蔵倉庫(10/20撮影)

蔵入れとは、凍結による品質劣化を防ぐために、屋外で風乾・粗選別された玉ねぎを倉庫に格納する作業です。
▼蔵入れ途中の倉庫内の様子(10/20撮影)

貯蔵される主な品種は「北もみじ2000」と「オホーツク222」。
倉庫内では、1,300kg入りのコンテナが高さ四段、横には奥行きいっぱいに並べられます。コンテナは一度奥に入れてしまうと手前の分からしか取り出せないため、単に積み上げるだけでなく、玉ねぎの品種やサイズ、品質の状況を確認しながら、出荷時の順番を考えて丁寧に格納していきます。
全ての貯蔵コンテナ1基ずつにオレンジのカードが入っており、『生産者』『圃場』『品種』など情報が記載されており、確実なトレースが行えます。
1日に格納できるコンテナは約300基ですが、多くの玉ねぎを蔵入れするため、作業はおおよそ約1カ月ほどかかります。
貯蔵された玉ねぎは出荷前に再度選別され、サイズや品質を確認した上で全国へ届けられます。
今年の玉ねぎの状況としては、降雨による定植の遅れや高温による影響を受け厳しい状況ではありましたが、こうした細やな管理の積み重ねが、北海道の玉ねぎの品質を支えています。
➖➖➖➖➖北海道産 じゃがいも➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
真狩村のささき農園では、男爵芋の選別が今月の10/16よりスタートしました。
▼男爵芋の選別作業の様子(10/20撮影)
ささき農園では、今年は他産地同様、干ばつや高温の影響を受けましたが、収穫直前の降雨により最後にしっかり成長し、収量は例年の約8割を確保することができました。
収穫直後には扇風機2台でしっかり風乾を行います。
▼風乾をする様子

▼選別中の男爵芋の様子

ささき農園では、特別栽培に取り組んでおり、豚糞を使った土づくりを行っています。また、生育期間中に高温にさらされると窒素成分が効きすぎる傾向がありますが、今年は化学肥料を抑えたことで、皮目が美しく食味も良い男爵に仕上がりました。
これも、土づくりをしっかり行い、丁寧な管理を行うささき農園の努力の賜物といえます。
➖➖➖➖➖北海道産 ブロッコリー➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
北海道産ブロッコリーもいよいよ終盤を迎えています。
▼音更町 得地農場 ブロッコリー収穫作業の様子(10/21撮影)
▼得地農場のブロッコリー 品種:トップスター (10/21撮影)

ブロッコリーは冷涼な気候を好むので、今の時期は特に良い品質状況です。
とは言いながらも、ここにきて急激に気温が下がったことで生育の速度が下がっており、どこまで生育し続けることができるか不明瞭なところではありますが、収穫の切り上りは11/15予定の見込みです。