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松倉 史和

エリア 北海道 渡島・檜山
取り組み
栽培品目 大根

産地の概要

松倉さんは12月から販売する雪の下貯蔵大根の栽培をしています。

函館の方では収穫した野菜を雪・土の下に保存することを函館の方では「いける」といいます。

松倉さんでは、8月下旬に播種した大根を10月下旬に一旦収穫し、その後土の中にいけ、一か月半程貯蔵した後に
12月中旬から順に掘り起こし、【雪の下貯蔵大根】として出荷しています。
雪の下で貯蔵された大根は、凍らないよう身を守るために糖分を高め、水分が外に出るのを防ぎます。
そのため、水分と糖分を多く含んだ味の濃い大根になるのです。

野菜本来の美味しさを生かしたいという思いから、松倉さんは農薬の削減や環境保全型の農業に努めています。

▼掘り起こした雪の下大根

大根を「いける」作業について

大根のいける作業についてご紹介します。

▼大根を収穫後、抜いて置いていき、大根を並べていく「床」となるスペースを作ります。

そこのスペースに貯蔵する大根をきれいに並べていきますが、土をかぶせる前に、並べた大根の上にビニールを張っていきます。
ビニールを張ることで腐らせず貯蔵することができるためです。
毎年何度もビニール以外の異なる素材で試したり、
大根にビニールを被せる位置を微調整したりと幾度も試行錯誤を繰り返し、今の形となりました。

▼ビニールをかぶせる様子

 

▼ビニールの上から土をかぶせていき、最終的には約120cmほど土を盛り、いける作業の完了です。

 

▼雪が積もった”いけた”後の大根の畑

雪の下で、大根が眠っています。

貯蔵大根の収穫から出荷まで

いけるのも大変な作業ですが、厳寒期に重量のある「貯蔵大根」を雪の下から掘り出すことも人手が必要な重作業です。

▼掘り起こす様子

 

▼掘り起こした後の大根は機械で大まかな土を洗い流した後、一本一本丁寧に手作業で冷水を使い洗っていきます。

 

丁寧にピカピカに洗われ、出荷されます。

毎年、作り守り続ける伝統野菜

どんなに大変でも毎年「いけ大根」を作るのは、
「地域の貯蔵野菜の伝統を守っていきたい、なにより貯蔵して甘みが増した美味しい大根を多くの人に食べてほしい!」
という松倉さんの強い思いがあるからです。

いけ大根の「ツユがおいしいんです」と松倉さんは語ります。
大根への愛情がないとできないことですね。
松倉さんの熱い思いがこもった「いけ大根」、ぜひ皆さまご賞味くださいね。