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伝統の大根貯蔵方法”雪下大根”出荷最盛期

北海道ではこの時期、毎日の様に雪が降り積もります。

全道的には平均的な降雪量ですが、小樽や岩見沢など一部地域では24時間に60cmを超える“ドカ雪”に悩まされています。

大雪により悩まされている地域もあれば、雪が少ないことが悩みとなる地域もあります。

➖➖➖➖➖雪下大根➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

函館市の松倉さんでは雪の下で貯蔵を行いながら出荷を続ける雪下大根の出荷が最盛期を迎えています。

▼ 雪下大根  収穫前の圃場           撮影:12月15日

一見何も無いように見える圃場ですが、秋に収穫した大根が貯蔵されています。

秋の収穫は10月31~11月1日に一斉に行なわれ、収穫直後の大根をすぐに土の中へ保存します。松倉さんの地域ではこの作業を“いける”と呼びます。

出荷の際は重機を使い丁寧に土を掘り起こすと、ビニールに覆われて出てくる“いけた大根”を1本1本手作業にて拾い上げます。

土と雪に覆われているため、貯蔵中は温度変化が少なく、適度な水分があることから、長期間の貯蔵とは思えないみずみずしさと貯蔵による甘さが特徴の逸品です。

▼ いけた大根の掘り上げ作業           撮影:12月15日

▼ 掘り上げられた大根             撮影:12月15日

▼雪下大根  掘り上げ作業  動画

栽培している品種は“ひかり80”と“ひかり90”の2品種。

より安定した品質を保つために出荷時期に合わせて品種を変えています。

3月上旬まで長期間出荷が続く雪下大根において、貯蔵性のポイントとなるのは気温と降雪量ですが、近年では真冬でも最高気温がプラスとなったり、雪が少なかったりと年々貯蔵が難しくなってきています。

特に雪が少なくなってきていることは深刻な問題となっており、雪には外気温が高くなれば冷やす効果、外気温が低くなれば保温する効果を持ちます。さらには水分のある雪は保湿の効果もあり、まさに万能な被覆能力を備えています。

伝統的な方法によって貯蔵されている大根ですが、品種だけではなく、いける高さ、土の量、土をかけるタイミングや回数など、様々な工夫や変化を遂げて今日の雪下大根が受け継がれています。

松倉さんでは3月上旬までに約30tの出荷を計画しています。